卓上遊戯創造館別館

ボードゲームの紹介等

「ごいた」能登の漁師町に伝わる伝統娯楽

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 「メビウスママのひとりごと」にも紹介されていた「ごいた」は石川県能都町に伝わる伝統ゲームである。創案者等については、不明な点も多いが、江戸時代より同地域の漁師の間で盛んに遊ばれていたらしい。


 「ごいた」は王・飛・角が各2枚、金・銀・桂・香が各4枚、歩(し)が10枚の合計32枚の将棋に似た駒を使い遊ばれる。ただし、将棋の駒とは違い、裏から見ても何の駒か分からない様、裏面は無地で駒の大きさはすべて同一である。


 ルールの詳細については、ここでは割愛するが、2人1組となり4人で行う。プレイヤーは最初に配られた8枚の駒を、「しりとり」の要領で2枚ずつ打ち込み(金飛→飛銀→銀桂…等)、8枚のコマをすべて使い切ったら勝ちだ。その時、最後に打ち出した駒の種類により得点が異なる。


勿論、手駒の状況によっては、出せない(あっても出したくない)場合があり、その時は「なし」と宣言しパスする事もできる。またゲームの戦略として、自分の手駒が悪い時には、チームメイトが勝つように誘導する事も大切だ。


 実際には、同じ持ち駒でも、打ち手の考え一つで、ゲームの展開は一変する。「読み」と「駆け引き」が重要な要素だ。下手な打ち方をするとチームの相棒からまともに非難を受ける事から、「ごいたは相棒に叱られて上達する」という格言もあるという。


 しかし、今では地元でも遊ぶ人が少なくなってきた。そこで地元の有志が集まって「ごいた保存会」が結成され、伝統娯楽の伝承に努めているという。私は同保存会が作った「ごいた入門」を読んで大変興味が沸いてきた。是非一度遊んでみたいと思っている。


ただし、「ごいた」の駒は、大阪では手に入れる事が難しい。地元でも駒は遊ぶ者が手作りで作っているという。駒の材質は真竹で作るのが一般的で、1週間くらいかけてコツコツ作るらしい。しかし私の不器用な手先では、竹を切り出して駒を作るのは難しい。そこで、カードゲームにアレンジした「ごいた」を製作してみようと思う