卓上遊戯創造館別館

ボードゲームの紹介等

子供ゲームの名匠、ハインツ・マイスター

stelmos2006-10-24



 今日は子供ゲームの新作「TURBULENTO」(セレクタ社)を紹介しよう。同ゲームの作者ハインツ・マイスターは子供ゲームの分野では第一人者で、これまでも「ディスクショット」や「ザップ・ゼラップ」「オール・ザ・ウェイホーム」等数々の名作を発表してきた。


 面白い子供ゲームというのは、一見簡単な様で、実は開発が難しい分野である。なぜならシンプルなルールとゲーム性の中で、子供が直感的に面白いと感じるモノを開発しなければならないからである。フリーク向けの作品ならば、ルールを複雑にして戦略性を高める事は許される。しかし、子供ゲームはそれが許されない分野である。


 マイスターは、この様な制約の多い子供ゲームの分野で、なぜ名作と言われる作品を数多く残す事ができたのであろうか。その秘密は五感の有効活用にあると思う。普通のゲームは、主に頭だけを使っていれば良いものが殆どである(もちろん、カードをめくったりコマを動かしたりするのに手も使うが)。しかし、マイスターは五感を有効に活用する事により、ゲームに新しい面白さを加えるのに成功した。例えば、「ザップ・ゼラップ」や「イグルー・ポップ」は耳を使い、中に入っている石の数を推理すると言うアクションを加えた。また「ディスクショット」や「アライグマのウイリー」といった作品は、指先を使ったおはじきアクションという要素を加える事により子供のハートをしっかりと掴んだのである。


 今回紹介する「TURBULENTO」もそんなマイスターのアイデアが光る一品である。今回は、「めんこ遊び」のアクションを巧みにゲームの中に取り入れている。


ルールの概要は、自分の手番になったらカードを一枚めくる。カードには動物の絵が書かれており、その動物コマが今回のターゲット。上から木の玉を落として、見事に動物コマがひっくり返れば成功。失敗した場合は、今回落とした玉を失ってしまう。ただし、動物カードはそれぞれ2枚ずつあるので、すでにひっくり返っている場合もある。その時は、裏向けになったコマの中から、その動物が書かれたコマを探さなければならない。勿論、間違えた場合も、玉を一つ失ってしまうのだ。


そう同作品は「めんこ」と「メモリー」という2つの要素を見事に調和させた新しい子供ゲームなのだ。私もプレイしてみたが、この様なゲームは子供が本当に強い。親子でプレイしても、子供と親が互角に戦えるのが、良いところである。


それにしても、ハインツ・マイスターは良い子供ゲームをつくる。まさに子供ゲーム作りの名匠(マイスター)だ。


当サイトはブログランキングに参加しています。読んだらポチッとお願いします。
人気blogランキングへ