卓上遊戯創造館別館

ボードゲームの紹介等

質問に関する私なりの考え(後編)


 私はこれまで、玩具メーカーに、ボードゲームに対しては、もう少し長期的な視点で取り組んで欲しいと主張してきました。その大きな理由としては、日本のボードゲーム市場は、いまだ黎明期の段階で、今しばらく成長期を迎えるのには時間が掛かると考えているからです。また、ボードゲームの販売促進には、PUSH型の手法が適していると昨日述べました。PULL型の販売促進手法は、マス媒体を使用して広告や宣伝を展開する事が中心なので、お金さえ掛ければ短期に展開する事も可能です。しかし、PUSH型の手法は、基本的には一人一人がボードゲームの楽しさを伝える活動がベースになります。そのためには販売店の店員教育等も行う必要があるので、どうしても時間が掛かってしまうからです。


 しかし最近、少しずつですが、地道にボードゲームを広めて行こうとしているコミュニティ団体等も生まれてきています。具体的にはNPO法人の「世界のボードゲームを広める会 ゆうもあ」等です。全国各地で開催している「ゆうもあゲーム会」では、子供連れの家族に、ボードゲームの楽しさを伝えようと活動しています。また、地方自治体等が主催する地域のお祭り等のイベントにも、積極的に参加しています。


 日本では、まだまだボードゲームを一般家庭で遊ぶという習慣がありません。しかし、「ゆうもあ」の様な草の根活動を地道に続けている団体も出来たりして、少しずつですが、日本でボードゲームが普及するための環境は改善されている様に思われます。先日、「ゆうもあ」の理事長にお話を聞く機会がありましたが、「20年かけてボードゲームを普及させたい」と仰っていました。私も、ボードゲームが一部のマニアだけでなく、広く一般の家庭や友達同士で遊ばれるレジャーになれば良いと考えています。ですから玩具メーカーも、もう少し我慢して長期的な戦略の中でボードゲームを捉えて欲しいと思うのです。


 最後にボードゲームの価格についてですが、やはり一般家庭に普及するためには、もう少し安く提供される必要があると思います。なぜならコレクターやマニアと違い、一般家庭では、ボードゲームは親が子供に買ってあげるものだからです。私はよく玩具売り場で、お客さんを観察していますが、子供が欲しがっても、値段をみて親が躊躇するシーンをよく見かけます。ただし、その続きまで観察していると、親は子供に何も買ってあげないのではなく、大概は安いモノで子供を納得させているケースが多いのです。「ハバ」や「セレクタ」のボードゲームは4〜5千円するものが多いですが、やはり少し高い。なんとか2〜3千円までで買えれば、子供に買ってあげやすくなるからです。


(今回のまとめ)
 ボードゲームを一般家庭に普及させるためには、その楽しさを地道に伝える活動が不可欠である。そのためには、ある程度時間が掛かるのはしかたがない事だ。メーカーはそのあたりを理解して、もう少し長期的な戦略を立ててじっくりと取り組んで欲しい。また価格面でも、もう少し努力してもらいたい。


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