アブストラクトゲームについて考える
アブストラクトゲームは、ボードゲームの中でも比較的、好き嫌いがはっきり分かれているジャンルだと思う。それは、テーマが無味乾燥的なものが多いというのもあるが、完全情報公開型のゲームであるが故に、習熟度の差によって事前に勝負の行方がハッキリとしてしまうからではないだろうか。
たとえば、「将棋」や「囲碁」の例を挙げると、基本的には100%習熟度が高い方が勝つ。初心者がマグレで有段者に勝つ事はない。よって実力の差がありすぎると双方にとって面白くない展開になるのが普通だ。
またアブストラクトゲームは、真剣勝負で実力が同じくらいの者どうしがプレイ場合、どうしても長考してしまい、重いゲーム展開になる事が多い。以前、「アバロン」を友人とプレイした時、3時間たっても勝負がつかず、双方合意の上で引き分けにした事もある。要するに、アブストラクトゲームは気軽にプレイしにくいのである。
しかし、良質のアブストラクトゲームはルールやシステムが洗練されている。実力の拮抗した者同士が時間を気にせずプレイできる時は、濃密な面白さを堪能できるに違いない。よくテレビで将棋や囲碁のプロの対局などを放送しているが、興味のある人にとっては、すごく面白いし、感心することも多いと思う。(続く)