卓上遊戯創造館別館

ボードゲームの紹介等

体験プレイでお客さんの興味を高める

stelmos2006-02-04


 今日は、きめの細かい対面販売により上手にボードゲームを販売している玩具店「キッズいわきぱふ天王寺店」の事例を紹介しよう。同店は大阪の一大ターミナル・天王寺駅に隣接する商業集積ビルの2Fに店舗を構え、ヨーロッパの木製玩具等を中心に取り扱っている専門店。ボードゲームはハバ社やセレクタ社等の子どもゲームが充実している。

 
 同店のボードゲーム販売の特徴はなんといっても対面販売にある。ボードゲームの棚を物色していると、店員さんが声をかけてくれる。そして必ず、「よかったら一回遊んでみませんか」と、その場でルールを説明してくれ体験プレイをさせてくれる。この体験プレイがあるおかげで、お客さんはピッタリあったゲームを見つけることができるのである 


特に、子どもゲームの場合は体験プレイが効果的で、いくらゲーム自体のシステムが面白くても子どもの成長段階にあったものでないと、そのゲームは生きてこない。(3歳ぐらいの子どもには、こどもゲーム大賞のナイアガラ等はまだ難しく、まずはテディメモリー等の絵合わせゲームから入るのがよい…等)店員さんはそのへんの所を熟知しているので、まず子どもの年齢に見合ったゲームを色々と紹介してくれる。親は2〜3個実際プレイして、子どもの反応が一番よかったものを買ってあげればよいのである。この方法だと、買ったのはよいが、難しすぎて遊ぶのが無理だった等というミスは発生しない。かならず、子どもにあったゲームをチョイスする事ができるのである。


 笑い話ではあるが、この方法にも少しだけ欠点がある。実際に目撃した例であるが、あるお母さんと子どもが「窓拭き職人」と「スティッキー」と「ねことねずみの大レース」を体験プレイした時の事。どれも楽しくプレイできたので、この中で一つだけ買ってもらえる事になった。お母さんは、こどもに一番面気に入ったのを一つ買ってあげると約束。すると子どもは「ねことねずみの大レース」を選んだ。お母さんも購入するつもりで、店員さんに「これおいくらですか」と尋ねた。「6510円」ですと店員が答えた瞬間、お母さんの顔色が一瞬ピクッと変わり、次の瞬間「○○ちゃんには、まだこのゲームは難しいんとちゃう?こっちにしたらどう」と言って一番安い「窓ふき職人」を強引に子どもに選ばせたのである。お母さんはおそらくハバ社やセレクタ社のゲームの定価を知らなかったのであろう。トイザラス等においてあるボードゲームは2000円前後のものが多いので、それぐらいの価格だと勘違いしていたのではないだろうか…。
 このお店は量販店でないので、価格の事はあまり気にしていません。(家電量販店などの店員は、まず予算を聞いてから相談にのってくれるのですが…)純粋にその子どもに合いそうなゲームを勧めてくるので、この様なケースも度々あるようです。やはりボードゲームひとつで5千円以上するのは、一般の人からみると高く感じてしまうのでしょう…。


 しかしながら、概ねこの体験プレイによるボードゲームの販売は、好評のようである。特に輸入ゲームは、基本的にパッケージ等もドイツ語や英語で書かれているので、箱を見ただけでは、一般の人にはどんなゲームか想像がつかない。だからこそより体験プレイが効果的なのかもしれません。
 やはり、ゲームの面白さは、いくらルールの説明を聞いてもピンとこないのが普通。実際にプレイしてみて初めてその面白さが分かる事が多い。まさに「百聞は一見にしかず」とはボードゲームにぴったり当てはまる言葉である。やはりボードゲームの販売のポイントはきめ細かい対面販売にあるのかもしれません。そう言う点では、一般の小売店が量販店等に対して差別化をはかるのに適したアイテムとも言えるのではないでしょうか