卓上遊戯創造館別館

ボードゲームの紹介等

JRの子会社が作ったお土産用ゲーム

stelmos2006-12-04


  
 連綿と続くボードゲームの歴史を紐解いてみると、以外に隠れた名作に出会う事も少なくない。今日は、「ハーベスト」(パッセンジャーサービス)という国産ボードゲームを紹介しよう。


 ゲームの概要は、2×2マスの自分の畑が書かれたボードをプレイヤーの人数分組み合わせてゲームボードを作りスタート。自分の手番では、一枚野菜カードを補充して、四枚の中から好きな野菜カードを、一枚ゲームボード上に配置するだけというシンプルなシステムだ。野菜カードは3種(トマト・キャベツ・トウモロコシ)あり、それぞれ40点から−20点までの得点が書かれている。野菜収穫の方法は、タテ・ヨコ・ナナメに3枚同じ種類の野菜が並んだ時に行われ、収穫が行われた畑を所有するプレイヤーが、野菜カードを獲得する事ができると言うものだ。


 たったこれだけだが、以外と考えさせられる。収穫のタイミングは3枚並んだ時なので、自分の畑だけで収穫を完結させる事はできない。他人の畑をいかに上手く利用するかがポイントになって来る。相手の畑にはなるべくマイナス点の書かれた腐った野菜を植え付け、自分の畑には、新鮮な高得点の野菜を植え付けたい所なのだが、そうは簡単に問屋が卸さない。また自分の畑は2×2の4マスしかないので、時には共存共栄で仲良く収穫する必要もある。単純なルールでかつジレンマを感じる良作ゲームだ。


 このゲームがクニィーツアやシャハトが作ったのならいざ知らず、10年以上前に、国産メーカーから発売されていたと言う所に大いに衝撃を受けた。さらに大手玩具メーカーからではなく、JRの子会社が製作して発売していたと言う所。パッケージに「新幹線のお土産に」と書かれている。当時、KIOSK等の売店で発売されていたと言うのだから脳天直撃モノの驚きだ。


 ただし、現在は、販売元の会社も存続しておらず、絶版で入手が困難と言うのが、非常に残念な事だ。


人気blogランキング(ボードゲームその他部門)へ