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下流喰い−消費者金融の実態ー


 出張帰りの新幹線の中で、東京駅構内の書店で購入した「下流喰い−消費者金融の実態−」(ちくま新書・須田慎一郎)を読んだ。

 格差社会の暗部で、弱者が借金漬けにされている。デフレ経済の下、大手消費者金融会社は低所得者層を貪り、肥大化してきた。いま、その甘い蜜を求めて大手銀行と外資企業が争奪戦を演じている。その一方で、多重債務に陥った利用者は、ヤミ金に全てを奪われた挙句、深い闇に沈められる・・・。貸し手と借り手の双方に生じている変化を分析し、金融業界と日本社会の地殻変動を克明に描いた渾身のノンフィクション。−同書カバー紹介文より引用。

下流喰い―消費者金融の実態 (ちくま新書)

下流喰い―消費者金融の実態 (ちくま新書)


 経済的な格差の拡大は、この様な社会問題をますます増幅させている。資本家たちは既に社会的弱者を低賃金で酷使し搾取しているにも関わらず、更に彼らの弱みに付け込んで絞り取ろうとしている。それが、現在の日本社会の姿だ。


 新大阪に着き、在来線に乗った途端、目についたのは消費者金融の車内広告。グラビアアイドルが爽やかな笑顔で、お金を借りましょうと私達を誘惑している。京橋駅の車窓から街並みを眺めれば、消費者金融とパチンコ店のネオン看板がやけにまぶしい。家に帰りついてTVのチャンネルをONにすれば、消費者金融パチンコホールやメーカーのコマーシャル。本当にうんざりさせられる。もはやマス媒体は私たち弱者の味方ではない。彼ら資本家の傀儡スポークスマンだ。


 私たちは、彼らのイメージ戦略に騙されてはいけない。マスコミが垂れ流すCMや、低俗な娯楽番組に影響されてはならない。少しでも油断をすれば、彼らの術中に嵌ってしまう。私達庶民は、今こそ自分をしっかりと持って自身の生活を守らなければならないのである。


 私たちは愚かな消費者になってはいけない。賢明な生活者であるべきだ。


 身の丈を超えた消費生活は、刹那の快楽の後、地獄の拷問が待っている・・・。


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