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いよいよはじまるインフレの恐怖


 日本はデフレを脱し、いよいよインフレに突入しそうである。現に最近の原油価格の高騰でガソリンをはじめ、様々なモノの価格が少しずつ上がり始めている。また中国の経済成長にともない同国のエネルギー消費量や食料コストの上昇も無視できない。最近ではプロセスチーズの値上げが行われた。これは中国での消費が飛躍的に増加したためである。


 そもそも私たち、先進諸国(北米・欧州・日本等)の生活レベルは、貧しい後進国からの搾取で成り立っていた。いわば先進国10億人の生活は、後進国50億人の犠牲の上に存在していたのである。しかし現在、その前提が崩れつつある。中国やインド等の経済成長に伴い、これらの国のエネルギー消費量は爆発的な上昇を見せている。近い将来、30億人を30億人が支える時代がやってくる可能性もあるのだ。


 しかしながら天然資源や食糧生産の供給が急激な需要増に追いつけるとはかぎらない。中国での牛肉消費量が増えれば、日本が輸入している輸入牛肉の価格は上昇するであろう。それと同様に、需給バランスの変化により様々なモノの価格が上昇するであろう。すなわち世界的なインフレが進行するのである。特に、天然資源や食料需要のほとんどを輸入にたよっている日本は深刻な状況になるに違いない。


 ただし、インフレと言っても好景気の中で発生する場合なら、それほど大きな問題にならない。物価と共に所得の上昇も伴っているからだ。しかし、日本の場合はどうなるだろうか。1000兆円を超える国の負債、少子高齢化による社会保障負担増や活力の低下等、マクロレベルの問題があまりに大きく国民の肩にのしかかっているため可処分所得の上昇は望めないだろう。すなわち日本で起こるインフレは、好景気時に起こるのではなく、景気停滞下で発生するのである。
 次のキーワードは不況下のインフレを表すスタグフレーションだ。
(次回に続く)



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