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漢たちの熱き伝説が遂に文庫化


 集英社文庫30周年記念企画として北方謙三水滸伝」が文庫化された。水滸伝は皆さんもご存知中国4大奇書の一つ。北宋時代末期、汚職と腐敗にまみれた国家を救うべく、英雄好漢たちが梁山泊に集い、悪徳官吏たちを打倒する物語である。

 
 私もこれまでに、横山光輝氏の漫画「水滸伝」や吉川英治の遺作「新・水滸伝」は読んでいたが、北方版の水滸伝は読んでいなかった。今回文庫化されたのを機に読んでみようと思い第1巻を書店で購入。家に帰って早速ページをめくりはじめると、面白い。面白すぎて止まらない。寝食を忘れて読書に没頭するという表現が相応しい作品である。1日一冊のペースで読破して、現在文庫版で刊行されている第8巻までは直ぐに読破。今後毎月1巻のペースで発刊されるのを楽しみに待とうと思っていたが、面白すぎて待てない。遂に単行本に手を出してしまい一気に最後(全19巻)まで読破してしまった。


 北方版の水滸伝の一番の魅力は、原典を一旦すべて解体し、北方流にアレンジしている所である。これにより同書は全く新しい物語として再生したと言ってよい。苦悩に満ちながらも志という理想を追求する108人の好漢たちの生き様を、見事に描いている。また、物語の前半から、好漢たちが命を落としていくのだが、その死に様もまた見事に描かれている。死に様を描いた部分こそが、物語の途中途中で発生するクライマックスであり、もっとも感動する場面の一つでもある。


 とにかく、この面白さは読んでみないとわからない。


水滸伝 8 青龍の章 (集英社文庫 き 3-51)

水滸伝 8 青龍の章 (集英社文庫 き 3-51)

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