謀将　山本勘助 - 卓上遊戯創造館別館

　今年のＮＨＫ大河ドラマ「風林火山」。
主役は「武田信玄」ではなく「山本勘助」。

天才軍師として語られる事が多いが、
実際の史実では、ただの伝令将校だったという説もあり、
とにかく謎に包まれている。

歴史研究家にとっては、困った事かもしれないが、
小説家にとっては、扱いやすいに違いない。
想像力を膨らませて描いても違和感がないからだ。

読んだのは「謀将　山本勘助」（南原幹雄・角川文庫）。
同著の中で、描かれている勘助は、
過酷な修行の末に兵藤・軍法を極めた容貌魁偉な男。

今川家に仕官する事を望んでいたが、
その魁偉な容貌が災いして、不遇をかこっていた。
そこを若き武田信玄に見込まれ、迎えられる。

それからの勘助はまさに「水を得た魚」。
群雄割拠する信州平定を進言し、軍略を発揮して、
めきめきと頭角を現し、軍師としての立場を確立する。

信州を逐われた諸将は越後へと逃れた。
信越国境に迫る武田軍に、ついに越後の虎・上杉謙信が動く！
川中島にはためく「風林火山」。
希代の軍師「山本勘助」の狙いとは･･･
天下分け目の「川中島の戦い」の火ぶたが切って落とされる･･･

史実では、川中島の合戦で戦死したとされる勘助。
殆どの小説家も、この事実を尊重した上で物語を組立てる。

しかし、同書はこれからが本番。
戦死したはずの勘助が実は生きていたという設定だ。
ここからはネタバレになるので詳しく書かないが･･･。

興味がある方は読んでみてください。
面白いですよ･･･。