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沖縄の海に散花した男たちの物語


 「男たちの大和」のDVDを観た。物語は戦艦大和の生涯を通じて、その乗組員と家族の想いを描いた作品である。


大和は当時、世界最大の超弩級戦艦であった。その圧倒的な破壊力で米国艦隊を撃滅する事を期待されていた。しかしミッドウェー、レイテ沖海戦など連合艦隊の旗艦として参戦するもたいした戦果を挙げる事はできなかった。海戦の主役が、艦隊同士の砲撃戦から、空母を基幹とした航空機決戦に代わってしまったからである。


そして日本の戦局はいよいよ厳しくなってきた。日本は一時、インドネシアを含む東アジア全体を占領したものの、圧倒的な物量に勝るアメリカにじりじりと押し返され始めた。更には絶対防衛圏とされるサイパンもついに陥落。とうとう昭和20年4月にはいよいよ沖縄本島まで米国軍は迫ってきた。その数、艦船1500隻、航空機1700機・・・


その時、大和は最後の出撃命令が下る。「天一号作戦」が発令された。作戦の内容は、片道分の燃料を積んで特攻、自ら浅瀬に乗り上げて、敵の上陸部隊を砲撃し撃滅するというものだった。航空機の援護もなしに出撃するこの作戦自体、無謀なものである事は誰もが分かっていた。それでも大和は出撃した。一億総特攻のさきがけとして・・・


 何のために出撃するのか納得できない大和の乗組員。自分たちの行動は単なる犬死にすぎないのではないか・・・ 特年兵達が苦悩・葛藤する中、臼淵大尉は静かに語り始めた。
進歩のない者は決して勝たない。負けて目覚めることが最上の道だ。日本は進歩ということを軽んじすぎた。私的な潔癖や徳義にこだわって、真の進歩を忘れていた。敗れて目覚める。それ以外に、どうして日本は救われるか。今、目覚めずしていつ救われるか。俺たちは、その先導になるのだ。日本の新生に先駆けて散る。まさに本望じゃないか。」


 その言葉に息を呑む特年兵たち。それぞれの想いと決意を胸に秘め、大和乗組員の最後の奮戦がはじまった・・・


 私はこの映画を観て感じた事を、簡単に文章にする事はできない。戦争を体験せず、安穏と平和を享受してきた自分が、本当にこの映画のメッセージを理解できているか分からないからだ。ただ一つ、この映画を観た人は、この物語は史実に基づいて創作されたと言う事を忘れないで欲しいと思う。


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