日本のボードゲーム市場規模を推測
(社)日本玩具業界は2005年度の国内の玩具市場規模を6975億円(前年度比98.3%)と発表した。また家庭用ゲーム機市場は4965億円(2005年(社)CESA)と発表されている。よって現在の日本の玩具・ゲーム産業の市場規模は約1兆2000億円という事になる。
これらを分野別に見ると(カッコ内の数字は前年対比)
・家庭用ゲームソフト・ハード … 4965億円 (113%)
・知育教育玩具 … 940億円 (98.2%)
・カード(トレカ含む)ゲーム … 672億円 (108.1%)
・季節商品(花火・スポーツ用品等)… 548億円 (94.2%)
・男子キャラクター玩具 … 487億円 (75.0%)
・男子玩具(電車・ミニカー等) … 487億円 (103.0%)
・女子玩具(着せ替え人形等) … 480億円 (83.4%)
・ハイテク系トレンドトイ … 287億円 (234.8%)
・ぬいぐるみ … 209億円 (79.7%)
・ゲーム(ボードゲーム・手品等) … 195億円 (94.0%)
・ジグソーパズル … 126億円 (102.9%)
となっている。残念ながら国内のボードゲーム市場については、正確な数字は公表されていない。そこで上記のゲーム分野の売上げ195億円の内訳から勝手に推測してみる。
<ゲーム分野の売上げ …195億円>
・ 手品・パーティグッズ ・・・ 約45億円
・ 電子ミニゲーム ・・・ 約50億円
・ アナログゲーム ・・・ 約95億円
<アナログゲームの内訳・・・95億円(私の推測)>
・ 将棋・囲碁・花札・カルタ・チェス等の伝統ゲーム ・・・約30億円
・ 人生ゲーム、ウノ、ジェンガ等の定番ゲーム ・・・約45億円
・ その他新作ボードゲーム等 ・・・約20億円
上記の数字は私の勝手な推測なので、あまり当てにはならないが、結局の所、国内の新作ボードゲーム市場はせいぜい20億円程度ではないだろうか。メーカーにとっては、定番ゲームや伝統ゲームは既に開発コストの償却も終わっているし、消費者の認知度も高いので、定期的に在庫調整を行っていればすむ。しかし、新作ゲームはイニシャルコストが必要だ。開発費・広告宣伝費等が重くのしかかってくる。発表したその年にある程度の数量を販売できなければ赤字になるだろう。また売れ行きが悪ければ定番商品になる事もなく、初期ロットの流通のみで消えてしまうのである。
残念ながら現在の日本の市場では、まだ新作ゲームを開発しても採算がとれない可能性が高い。「人生ゲーム」や「オセロ」等に代わる定番商品が、永らく出現していない事からも明らかである。また世界的に評価の高いゲームだからと言って必ず日本市場で定番になれるとは限らない。実際「カタン」の日本語版ですら、どこの玩具売り場にもある定番商品に育っていない。
日本のボードゲーム市場はまだまだ厳しい。しかし、厳しい土壌にもかかわらず種を撒いてくれるメーカーが少しづつ現れたのも事実である。なんとかメーカーが諦めてしまわない内に、もう少し豊かな土壌に改良しなければ、日本のボードゲーム市場に明日は無い・・・
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