アレキサンダー

　紀元前３世紀。ギリシャ人の国、マケドニアで異民族の妃と頑健な王フィリッポスのあいだにアレキサンダーは生を受けた。ゼウスの生まれ変わりと言われた王子は、“蛇の女王”である母のゆがんだ愛ち、強大な父王の影響を受け、心にかげりを持ちながらも強く、美しく成長する。そしてある日、運命の時は訪れた。華やかな式典のさなか父王が暗殺され、20歳のアレキサンダーが王となったのだ。
　アレキサンダーは史上最大、最強を誇るペルシャ軍を６分の１の兵力で打ち破ると、“世界の果て”を目指し、山脈を越えてアジア、インドへと進行する。
　腹心の友ヘファイスティオン、勇猛なカッサンドロス。やがてエジプトの王となる、知将プトレマイオス。旅の途中で見つけた、世界で一番強く美しい花嫁、ロクサネ。多くの仲間と富を持った王はなぜ、世界を征服しようとしたのか、そしてすべてを手にいれながら、なぜ32歳という若さで世をさらねばなかったのか。
　2300年の時を経て、史上最大のミステリーが今よみがえる・・・。

アレキサンダー (竹書房文庫)